スマートリングが前から欲しかったんですが、ついに「b.ring」を買いました。使い始めて1カ月ほど経ちましたので、選んだ理由やサイズ感、実際の使い勝手などをまとめてみます。
先に結論から言うと、b.ringそのものにも満足していますが、それ以上に良かったのは「Apple Watchを外しても良い」という選択肢ができたことでした。1つのデバイスですべてを記録しようとせず、生活の場面に合わせて複数のデバイスを使い分ける。ヘルスケアデータの記録は、そんなポートフォリオで考えても良いのではないかと思っています。
Apple Watchを24時間着け続けるのは案外と難しい
もともと私はApple Watchを使っています。日中に使う分には便利なのですが、24時間ずっと着け続けるとなると、結構邪魔に感じる場面があるんですよね。
特に寝るときは手首に何か着いていること自体が気になります。スポーツをするときには大きさや重さが邪魔になることがありますし、帰宅後に手首が汗ばんでいると、とりあえず外しておきたくなります。
そうすると、当然ながらヘルスケアデータの記録はそこで途切れます。すべてのデータを24時間取り続ける必要があるわけではありませんが、睡眠時間や心拍数、活動量などは、継続して記録されているほうが自分の生活を振り返りやすくなります。
特に睡眠については、記録されているだけでも就寝時間を意識するようになります。Apple Watchを外している時間を、もう少し小さなデバイスで補えないものかなと思ったのが、スマートリングを探し始めた理由です。
高価なスマートリングをいきなり買うのはちょっと怖い
スマートリングを調べてみると、価格帯がかなり広いです。数千円で買える無名製品がある一方、有名な製品になると数万円しますし、さらに追加でサブスクリプションの契約が必要なものもあります。
高価な製品ほどセンサー構成や測定精度、分析機能、アプリの作り込みなどに差はあるのだと思います。ただ、睡眠の質や回復度といった指標は、リングが直接測っているわけではなく、心拍数や体動などの測定値から推定したものです。
もちろん、その推定ロジックの良し悪しにも製品ごとの差はあるはずです。それでも、初めてスマートリングを試す段階で、いきなり数万円の製品と継続課金を導入するのは少しハードルが高いなと思いました。
一方で、数千円の製品を買って、アプリやデータ連携が使いものにならないのも困ります。その中間で見つけたのがb.ringでした。購入時の価格は1万5000円前後。サブスクリプションのない買い切り型で、必要最低限のデータが取れて、Appleヘルスケアとも連携できます。
アプリの評判が若干気になったのですが、まずスマートリングがどんなものなのか試すには、価格と機能のバランスが良さそうです。というわけで、今回はb.ringを買ってみることにしました。
b.ring スマートリング G2 ステンレスモデル
まずは購入したものについて。購入したのはb.ring スマートリング G2 ステンレスモデルです。購入時は欲しいサイズを選んで注文することになりますので、ここは注意が必要です。
b.ringを選んだ理由の一つに「G2モデルが出ていたから」というのがあります。機能的に大きく違うことはないのですが、進化が激しいプロダクトなので、モデルはやはり新しいほうが良いです。チタン性のproモデルもあったのですが、ちょっと高額なのと、最初のデバイスとしてはスタンダードなものが良かったので無印版にしています。


箱の裏面にサイズが付記されていますので要確認です。非常にコンパクトなパッケージです。

中には本体と、マニュアルダウンロード用のQRコードが入っていました。要するに紙のマニュアルはありません。最初の接続時くらいしかマニュアルが欲しくなるタイミングは無いような気もします。

USBケーブル(A-C)と充電ケースに本体が入った状態でパッケージに入っています。本当にこれだけです。

リングはケース内のホルダにマグネットでくっついた状態で入っています。充電端子にシールが貼られているので、これを外して初期充電してから使うことになります。

充電時はLEDが赤→緑に変化します。リング自体のバッテリー容量も非常に小さいので、充電は短時間で終わります。だいたい、お風呂に入る間で終わるくらいです。それで5日程度はバッテリーが持ちます。
以上、まずは買ったものの紹介でした。
サイズ選びは想像以上に難しかった
スマートリングを買ううえで、一番気になったのはサイズです。普通の指輪と違い、リング内側のセンサーを皮膚に接触させる必要があるため、緩すぎると測定に影響します。かといって、きつすぎれば日常的に着けていられません。
b.ringにはサイジングキットがあり、Amazonで500円ほどで購入できます。今回b.ringを選択したもう一つの理由がサイジングキットがあったこと。紙を指に巻いてサイズを測るという方法も紹介されていますが、ちょっと精度に不安があります。スマートリングのサイジングのトラブルはレビューなどでも良く目にするので、サイジングキットは必須と考えていました。
ちなみに、最初に紙を指へ巻いて測ったところ、左手人差し指の周囲は約65ミリ。サイズとしては11号が候補になりました。

サイズを決めるためのサイジングキット。短時間の試着だけでは分からないことがありました。

実際にサイジングキットを3日ほど着け続けてみたのですが、指の太さって、一日の中で想像以上に変わるんですね。私の場合、夜から朝にかけてはむくみ、日中から夕方にかけて細くなる傾向がありました。
11号(65mm)では朝はちょうど良くても、日中になると緩くなり、外れそうになります。10号(62.5mm)はむくんだ時間帯には若干きついのですが、指が細くなる時間帯でも大きくずれません。迷ったのですが、最終的には10号を選びました。
ちなみに、サイジングキットは樹脂製で、本体とは表面の滑り方や角の感触が少し違います。実物のほうが指にすんなり入ったので、キットで多少きつく感じても、実物の着け心地と完全に同じというわけではなさそうです。
指のむくみ方には個人差があります。昼間に数分試すだけではなく、睡眠時を含め、少なくともまる1日以上、できれば数日は着け続けて確認したほうが良いと思います。


左手人差し指に装着した状態。私は最終的に10号を選びました。

サイジングキットと実物の違い。材質・質感が違うので意外に装着感も異なります。
思ったより邪魔じゃないけど、邪魔になる場面もある
実際に着けてみた最初の印象は、「思ったより邪魔じゃないけれど、邪魔になる場面もある」というものでした。まず大前提として、重さや太さについては、ほぼほぼ気にならないレベルかなと感じています。

最も期待どおりだったのは睡眠中です。Apple Watchのような重さや存在感がなく、寝るときに着けたままでもほとんど気になりません。Apple Watchを外していても睡眠時間が記録されるようになり、寝落ちした時間も含めて把握しやすくなりました。
一方で、最初に気になったのは車を運転するときです。ハンドルを握った際に、リングが当たる感覚がありました。ドアノブを握るときや、ポケットに手を入れるときに引っかかることもあります。
この辺は、しばらく使っているうちに、握り方や手の動かし方が分かってきました。今ではあまり気になりません。慣れとは素晴らしいものです。
手を石けんで洗うときは、私はリングを外しています。防水性能が心配というより、リングの内側に水分や石けんが残るのが気になるためです。24時間絶対に外さないものと考えるより、気になる場面では外すものだと割り切ったほうが使いやすい気がします。
懸念点として、付け忘れることがあるかなと思ったのですが、私は意外に忘れないで生活できています。
アプリは心配していたほど問題なかった
購入前はアプリの評判が少し気になっていましたが、私の環境では初期接続、データ同期、バッテリー残量の確認とも、ほぼ問題なく使えています。



アプリでは心拍数や活動量、睡眠などを確認できます。私の環境では同期も安定しています。
初期接続はアプリからデバイスの登録を行うことで利用開始になります。接続にはBluetoothを使っているので、Bluetoothデバイスにもb.ring G2が登録されます。アプリからはバッテリー残量のチェックや手動でのデータ同期の指示などが行うことが出来ます。
概ね安定していますが、同期がうまくいかなかったことは一度だけありました。そのときはWi-Fiとモバイル通信を頻繁に切り替えていたので、Bluetoothを含めてスマートフォン側の通信状態が不安定だったのかもしれません。それ以外では、日常的な利用に支障のある不具合には遭遇していません。
Appleヘルスケアとの連携も普通にできています。Apple Watchとb.ringのデータを一カ所に集約できるので、どちらのデバイスで測ったかを普段から細かく意識しなくても良いのは便利です。
睡眠トラッキングは、個人的には「そこそこ参考になる」という印象です。就寝と起床のおおよその時間を把握する用途には役立ちますが、睡眠ステージや睡眠の質までを絶対的な数値として受け取るつもりはありません。
ウェアラブルデバイスが表示する睡眠や回復に関する指標は、センサーで得た情報を使って推定したものです。医療機器による検査とは性格が違いますので、単日の点数に一喜一憂するより、自分の生活の変化や長期的な傾向を見るのが良さそうです。
アプリの機能として、フレンドや歩数ランキングもありますが、あまり使わないかなと思いました。家族との共有は使えるシーンがあるかもしれません。
バッテリーは4〜5日なら安心して使える
公称値ではもう少し長く使えることになっていますが、私の使い方では4〜5日程度なら安心して使えるという感覚です。センサー感度はデフォルトの「詳細」にしているので、設定によって持続時間は変わるかもしれません。
いずれにしても、毎日のように充電を意識するApple Watchと比べると、バッテリー管理はかなり楽です。充電するときもケースに入れるだけなので、入浴中やデスクワーク中など、リングを外しても困らない時間に充電できます。
Apple Watchを外しても良い時間ができた
b.ringを使い始めて、一番大きく変わったのは、Apple Watchを着けなくても良い時間ができたことだと思います。
これまで、ヘルスケアデバイスは1台で24時間を網羅するものだと、なんとなく考えていました。しかし、日常生活、睡眠、スポーツでは、デバイスに求める条件が違います。
日中は、画面表示や通知、決済などが使えるApple Watchが便利です。睡眠中は、小さくて軽いスマートリングのほうが邪魔になりません。スキーをするときは、Apple Watchでも記録できますが、大きくて重く、ウェアやグローブとの組み合わせによっては邪魔になります。一方、スマートリングは転倒やストック操作を考えると使いたくありません。
そう考えると、スキーなどの運動中は、小型のバンド型トラッカーが良さそうです。今はApple Watchとb.ringの2台ですが、そのうちバンド型トラッカーも買ってしまいそうな予感がします。

日中はApple Watch、睡眠中はb.ring。用途の違うデバイスを組み合わせるという考え方です。
デバイスごとに搭載センサーや測定方法、アルゴリズムは異なりますので、複数の機器から得た数値を、完全に同一条件の連続データとして扱えるわけではありません。それでも、心拍数や活動量、睡眠時間などを長期的な傾向として見るのであれば、生活に合わない1台を無理に着け続けるより、場面ごとに無理なく使える機器で空白を補うほうが現実的だと思います。
投資のポートフォリオが、性格の違う資産を組み合わせるように、ヘルスケアデバイスも得意な場面の違う機器を組み合わせる。目的はデバイスを増やすことではなく、自分の生活を邪魔せず、必要なデータを取り続けられる状態を作ることです。
結果としては、b.ringを買って良かった
1カ月使った時点での結論としては、b.ringを買って良かったと思っています。
スマートリングを試してみたいけれど、数千円の製品ではアプリや連携機能に不安がある。一方で、最初から数万円の製品やサブスクリプションへ投資するほど、何に使えるのか分かっていない。b.ringは、そんな人にとって選びやすい製品だと思います。
もちろん、高価な製品のほうが測定精度や分析機能、アプリの作り込みで優れている可能性はあります。ただ、私が最初に知りたかったのは、スマートリングを自分の生活に取り入れられるのか、そして何のデータが役に立つのかということでした。その目的にはb.ringで十分でしたし、価格を考えても満足しています。
そして今回、製品の使い勝手以上に大きかったのは、ヘルスケアデータの記録に対する考え方が変わったことです。スマートリングはApple Watchを置き換えるものではなく、Apple Watchを外している時間を補うものでした。Apple WatchにはApple Watchの得意な場面があり、スマートリングにはスマートリングの得意な場面があります。
結局のところ、1台ですべてを測ろうとする必要はなさそうです。日中はスマートウォッチ、睡眠中はスマートリング、スポーツ中は小型のバンド型トラッカーというように、生活の場面に合わせて使い分ければ良い。そうすれば、どれか1台を無理に24時間着け続けなくても、ヘルスケアデータを自然に残せます。
ヘルスケアデータは、記録しただけで健康になるものではありません。それでも、睡眠時間や活動量が見えると、少なくとも自分の生活を気にするようになります。私にとっては、それだけでも記録を続ける意味がありました。
b.ringを買って、スマートリングで何ができるのかは大体分かりました。そして次は、スキー中に使うバンド型トラッカーが気になっています。こうしてデバイスが増えていくのも、ポートフォリオを組んでいると思えば仕方ないかな、ということにしておきます(苦笑)。

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