しま★りん.blog @ayurina

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かつやでダレトクな生姜焼きとん汁定食を食べてみたらちょっと意外な感動があった話

time 2018/12/16

一部で話題のダレトク企画、かつやの「生姜焼きとん汁定食」を食べてみました。没メニューってことで正直ネタだよなぁと思っていたんですが、改めて考えるとこれは何かの挑戦なのかもしれない、って気がしてきました。

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問題作「生姜焼きとん汁定食」

こちら、2018/12/11放送の『有吉弘行のダレトク!?』の「没メニューレストラン」で取り上げられていた、かつやの没メニューの一つ。最後に一つ実際店頭で提供するメニューを選ぶとき「社長が一番嫌がりそう」という理由で選ばれたのが、この「生姜焼きとん汁定食」でした。

早速実食されている方がレビューを上げていますが、中でも「これを没にした社長は神」というコメントはグッと来るものがありました。逆に僕の中では期待が高まってきていて、そしてついにやっと今日、実際に食べることができました。

いろんなモノがダメになってるメニュー

まぁ没メニューですからね・・・。

オーダーの段階からネタ。「ダレトク一丁」って言ったよね、今。これ一応「フェア丼」扱いなんです。せめて「生姜とん汁一丁」とか、ちゃんとそれらしい名前になってるんだから、呼んであげても良いのに・・・という切ない気持ちから入りました。

来ました。とん汁”大”の上に生姜焼き、そしてとん汁の海に半分沈みかけているトンカツ。なんてシュール。なんて退廃的なビジュアルなんでしょう。しかもお盆の上にはこのとん汁とご飯が鎮座しているだけ。かつや史上でも指折りの貧相なビジュアルに感じました。ああ、これも没の要因かもしれない。

まずは生姜焼きを摘んでみます。うん、普通に生姜焼きです。とん汁の海にちょっと溺れつつも、ちゃんと生姜焼きのアイデンティティを感じます。

続いてトンカツを頂きます。そもそも、汁にカツを浸けることは、カツ丼などとそれほど変わらないはずなんですが、このメニューではカツがとん汁に沈んでいるのはまさに”事故”です。すっかりフワフワになったコロモに包まれたトンカツは、なんとも不可思議な食感です。有りっちゃぁ有りだけど・・・。

そして、とん汁。これが問題です。トンカツのコロモと油、生姜焼きの生姜とニンニクの香りがすっかり溶け込んで、別の汁物になっています。甘じょっぱくてニンニクの効いたガッツリ系の吸い物という感じです。これはもはやとん汁ではない。とん汁のアイデンティティはどこに行ったんでしょう。

問題はこれに留まりません。とん汁に沈んだカツを頂くとき、ご飯にワンバンさせるわけです。そうすると、ご飯にもこの怪しいとん汁が、徐々に侵食していって、普通のご飯ではなくなります。そう、ご飯も汚染されてしまうのです。

完食した後の第一印象としては、これはまさに、いろいろなものがダメになってるメニューだなぁという感じでした。生姜焼きもトンカツもとん汁も、そして挙げ句はごはんまでも、それぞれのアイデンティティを失い、どこに向かっているか分からない。そんなワンダーランドが展開された、まさに没メニューになるに相応しい風格のある「生姜焼きとん汁定食」でした。

食後に感じた違和感というか別の感想

さて、とりあえず食った。ネタとしてはこれで良いか・・・くらいに思っていたんですがね。

なんか違うな、って思ったんですよね。

確かに、生姜焼きもとん汁もトンカツも、もうグダグダになってて、別々に食べさせて欲しいよ、って思うわけです。ただ、食べ終わった後に改めて考えたわけです。これはもしかしたら、かつやじゃないとできないメニューなのかもしれない、と。

とん汁の海に沈んだトンカツも、決してコロモが崩壊するわけではなく、ちゃんとフワフワのコロモが付いた状態で頂けています。もちろんかつやはカツ丼が売りのお店ですので、この辺のノウハウはあるはずです。ここまでしっかりとトンカツらしさが残っているのはやはりかつやだからではないかと。

生姜焼きもニンニクのパンチの効いた生姜焼きになっています。これもかつやでは、ソースのかかったトンカツと並べられることを意識したバランスです。生姜焼きのアクセントがあって、このメニューは成立しているわけです。

そしてとん汁。いろんなものを受け止めて良くわからない汁物になってしまっていますが、ここまでの懐の深さを持つ汁物が他にあるでしょうか。これも、かつやのロースカツの横に鎮座するとん汁だからこそ成り得た味と考えることができます。

つまり、この「生姜焼きとん汁定食」は、単なるごった煮ではなく、かつやの中の異種格闘技戦というか、それぞれ強みのある具材同士のバトルロワイヤルなのではないか、と思えて来たわけです。我々が食している「生姜焼きとん汁定食」とは、ツワモノ同士が血みどろのバトルを繰り広げているバトルフィールドであり、ボロボロに打ち合った末にたどり着いた、ある種の究極の姿を見せているのではないかと。

でも一回で良いです

改めて考えると、それでもちゃんと「生姜焼き」「とん汁」(トンカツ)「定食」として成立しているのは、やはりかつやだからなんだなぁと思いました。確か社長は「ふざけてる」と言っていましたが、これは現場の料理人からすると一つのチャレンジの集大成というか、かつやのメニューの到達する一つの姿だったのかもしれない、とポジティブに見ることも出来るようになってきました。

「生姜焼きとん汁定食」、侮り難い奥深さを秘めたメニューになっています。是非この没メニュー、多くのかつやフリークの方に食してみて頂きたいです。

最後に、でも、やっぱり、一回で良いです。

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