という訳で、今まで10年以上ホンダ車に乗っていたワタクシ、「いつかはスバルBoxer、いつかはスバリシンメトリカルAWD」と密かに思い続けていたんですよね。ヴェゼルHYBRIDの運転感がどうにも体に合わない気がして、ついにXVハイブリッド、試乗しちゃいました。正直、「試乗しなければ良かった」と思った(汗)。
XVハイブリッド
正直、今、XVハイブリッドを買うか、というのは、すごく微妙な状況だと思います。新しいインプレッサが発表されて、来年にはこのインプレッサをベースとしたXVが、新たなパワートレインと共に出てくることはほぼ確定しています。と言うわけで、要するに「モデル末期」ってヤツ。ただ、過去の経験からすると、モデル末期の成熟した車のほうが、いろいろと良いことが多いのも事実。今乗っているRB2もマイナーチェンジ直前(LEDテールランプになる直前)に買ったもので、結局これまで10年乗り続けられたのも、完成度の高さがあったからだと思っています。
また、おそらく来年出てくるXVは、より燃費方向に倒したモデルになるであろうことが予想されます。プラットフォームについても「剛性2倍」という噂もありますが、実際現行のXVでも剛性にはあまり問題無さそうだし、そもそもハイブリッドの投入時期も良く分からないため、ちょっと不安もあると。なかなか悩ましい状況です。
と、そんなわけで、ついに、XVハイブリッド、試乗しちゃいました。結論から言いますと、「試乗しなければ良かった」。
まずは、まぁ初めてスバルのディーラーを訪れるということもあり、形式的にXVハイブリッドのカタログ説明的なところから入りました(苦笑)。ネットとかで情報収集しているんで、何を今更・・・と思いつつ、営業さんの「熱弁」に耳を傾けたわけですが、いや、スバルの営業って、噂には聴いていたけど、車好きなんだな、って分かる(ただ、ディーラーのアメニティとしてはやっぱりホンダのほうが良いと思ったけどね)。
個人的に謎だった、EyeSight V2とV3の差分ですが、機能的に見るとレーンアシストでアクティブコントロールが働くか否かくらいの差分にしか見えませんが、実はカメラがモノクロとカラーの差があると。つまり、V3は「前車のブレーキランプが認識できる」。これによって、前車追従とかがよりスムーズに行くらしい。画像処理の視界も広がっているそうで、より高度な情報処理ができるようになっている、とのことです。XVハイブリッドはV2なんですよね。なんか惜しい。
この、スバルのEyeSightなんですが、世界最高峰の安全性を誇る技術であることは周知の通り。実は、なんでスバルのEyeSightがこんなに評価高いのか・・・ってあまり良く分からなかったんですが、今日の営業トークでなんか分かった。EyeSightの基本理念は、「ドライバーにより的確に情報を与え、適切な判断をさせることにある」ということなんだそうで。ちょっと一瞬、あれ?っと思ったけど、なるほど、こういう基本理念がしっかりしているのがポイントなのかな、と思った。
例えば自動ブレーキとかって、兎に角止まることが良いコトみたいな雰囲気がありますが、EyeSightは基本的にドライバーの目の代わりになって、ドライバーに注意を促し、それでも反応が無い場合に、段階的に制御をかけていく、というポリシーになっていると。それが結果として高い性能につながっているというのが、なんとも皮肉な話でもあるんですが、システム屋として見て、こういう設計思想って、実は「非機能要件」的に、システム全体の品質を向上させる力があるのも事実。まぁそれが全てでは無いですが、スバルって、なるほど、こういう会社なのね、っていう一面を垣間見た気がします。
さて、説明はさておき、早速試乗してみました。乗ったのは、XVハイブリッドZ。試乗車検索でこの車種があるディーラーまで遠出したんですから(苦笑)。
まず運転席に乗った感じとしては、あまりヴェゼルと雰囲気は変わらないかなぁと。ハンドルの握り具合まで変わらない(苦笑)。どっちがどっちを真似したのか、あるいは世界的なスタンダードなハンドルデザインなのか分かりませんが、なんだか一緒。笑っちゃった。メーターまわりはヴェゼルのほうがコンピューター的で、XVは自動車的な雰囲気がありますね。一番重要なのは、XVはタコメーターがあること。最近のエコカーはタコメーター無いから。これもXVの拘りか?と思いました。シフトバーがきちんとシフトバーとして存在するのも重要(苦笑)。とにかく、左手の置き場に困らなくて助かる。シートの感触もこれまた似たような感じで・・・。肩のホールドは弱め、しっかり腰周りで支える感触は悪くないです。
エンジンをかけると、XVハイブリッドはほぼ普通にアイドリング状態になります。ヴェゼルはスイッチが入るだけって感じなんですが、XVは基本ガソリン車なので、エンジンは基本的にかかるとのことです。ブルーのメーターは好印象です。
早速走り出しましたが・・・走り出した瞬間、一瞬で、「この車、欲しい」ってなった(苦笑)。
これまで家族の車を含め、結構いろんなCVTの車に乗ってきましたが、初めて、自分の感覚に直感的に反応するCVTに出会った気がします。弟が乗っていた日産ティーダのCTVが感触的には近かったかもしれない。最近はホンダ、トヨタのCVTを運転する機会が多く、CVTなんて「こんなもん」だと思っていたんですが、スバルのリニアトロニックはちょっとイメージを超えていました。普段乗っているRB2の5ATも反応速度はなかなかのモノですが、それに匹敵するというか、納得の行くアクセルレスポンスを返してくる。かつ、きちんと定速巡航したいときにも、アクセルワークに素直に追従して走行状態が変わっていく感覚は、非常に心地よくて、ホント、このCVTは素晴らしいって思いました。
ハンドルレスポンスも悪くないです。これはBoxerエンジンの低重心の効果もあると思いますが、きちんと曲がりたいだけ曲がってくれる。ホント、ヴェゼルもXVも、SUVらしからぬコントロール性を持っているな、って思います。あ、そういえば、営業マンが、「Boxerエンジンは機構が複雑なので、ちょっと整備には時間かかるんよ」って言ってたのは好感が持てました。それでもスバルがBoxerに拘る理由はやはり安全性。正面からの衝撃に対して、エンジンが車体下に「潜り込む」機構もBoxerエンジンの特徵です。
試乗コースには自動車専用道路もあって、高速安定性も確認できました。この辺の安定性は、言わずもがなです。イマドキの車で高速でフラフラするようなことは無いですが、やはりこれも車体剛性の成せる業かなと思います。
XVハイブリッド、欲しい
という訳で、XVハイブリッド感想は、「これ欲しい」です。燃費性能はあまり良くないですが、モーターアシストが必要十分な動きをする、やっぱり味付けの違うハイブリッドというのを実感しました。それ以上に、全体的な操作のダイレクト感が非常に心地よく、よく煮詰まっている車だという印象を受けました。
スバル車は試乗しないと良さが分からないかと思います。そして少なからぬ人間が虜になっていく理由も分かりました。見かけの売上にはない、OnlyOneな良さがありますね。XVハイブリッド欲しいぞ。うん。
結局買いました
ほぼ一目惚れでしたが、買いましたよ。XVハイブリッド。
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