XVハイブリッドのカーナビを更新した話。2024年型楽ナビAVIC-RZ121レビュー。スマホナビが人気だけど専用機もしっかり進化していた。

DIY

2024年7月、納車から8年目を迎えたXVハイブリッドのディーラーナビをバージョンアップしました。最新のAVIC-RZ121のレビューです。昨今スマホナビが話題ですが、専用機もそれなりに進化しており、期待以上の使用感で驚きました。やっぱり専用機も悪くないです。

AVIC-RZ121の基本的なスペック

まずは基本的なスペックから。詳細についてはメーカーサイトを見て頂ければと思いますが、特に私がこの機種を選ぶうえで気にしたポイントを挙げておきます。

インダッシュ、7インチHD液晶、静電容量タッチパネル

本体はインダッシュモデルです。最近はフローティングモデルも多いですが、やはり値が張りますし、車両への適合性に不安があります。今回はあえて標準的なインダッシュモデルを選びました。

液晶はHD液晶です。おそらくこのクラスの中では一番高精細かなと思います。元々使っていた楽ナビがSVGAだったので格段に美しくなっています。画面のデザインの工夫で解像度の粗さを目立たないようにすることもできるのですが、やっぱり圧倒的な高精細液晶は優位性が高いです。

そしてタッチ操作です。古いタイプのナビで採用されている感圧式だと、スワイプ操作やピンチイン・アウト操作は難しいですが、静電容量液晶のこの楽ナビなら比較的サクサク操作できます。その代わり、従来ナビには付属していた赤外線式のリモコンは付属しません(ステアリングリモコンは繋がります)。

地デジ無し、HDMI無し、AUX無し、光学ドライブ無し、SDスロット無し

とにかく何も無いミニマルなモデルです。楽ナビのラインナップは基本的に上位グレードほどインターフェースが豊富になっており、これは最下位機種なので地デジすらありません。Bluetoothは繋がるので、通常の使用では困りませんが、リアシートにモニターなど付けている場合は上位モデルを選ぶ必要があります。

インターフェースがありませんから、配線もスッキリします。地デジのフィルムアンテナがフロントガラスに無いというのは、ちょっと視界が良くて嬉しいです。

ETC連動も無し

はい、ここだけスペック失敗しました。KENWOODやパナソニックのナビだとエントリーモデルでもETC連動はしているので、まさか楽ナビエントリーモデルがETC連動できないとは思っていなかった、というのが正直なところです。これは罠なので気をつけましょう。

ETC連動すると料金が分かるのがまずはポイントなんですが、実はETC2.0ではビーコンで交通情報が受信できるんですよね。これが無いのは若干痛いです。インターネット経由で渋滞情報は取れるし、VICS WIDEもかなり情報量は増えているんですが、ビーコンの即時性や情報量には流石に勝てません。

言ってても仕方ないので、FMブースター付けてVICS WIDEの受信感度は一応上げてあります。

ステアリングリモコン対応

案外とこれが一番外せなかった機能なんですよね。純正ステアリングリモコンが対応していて、基本的な操作が一通り手元でできます。冬のスキーも含めて年に数万キロ運転する私にとって、この機能はのすごく重要だと思っています。

高音質設計

パイオニアのナビって基本的に音が良いと思っているのですが、このAVIC-RZ121についても、アンプ等の基本的なオーディオ機能については上位機種と変わらないスペックです。もちろん、ハイレゾ対応などはしていないのですが、十分な出力のアンプとイコライザーがありますので、十分なレベルの音質になっていると思います。

最新楽ナビエントリーモデルは侮り難い

ここからレビューになりますが、まずは起動直後の動きから。

いきなり走った地図更新がすこぶる速かった

今回、カーナビを買い替えたかった最大の理由の一つが地図更新に時間がかかることでした。そのため、専用機ではなくディスプレイオーディオやAndroidナビにすることも考えたのですが、最新楽ナビの情報を見ていると、本体で直接データダウンロードしてアップデートできるようになっています。そのため、きっと速くなってるんじゃないかと期待して、この機種にした経緯があります。

そんな中、期せずして、取り付け直後にデータ更新確認が走って、「2024年5月版」への地図更新が行われました。

慌てて写真を撮ったのでボケてますが、見る間にWifiテザリング経由でデータがダウンロードされ、地図更新が行われました。

この間、10分程度だったと思います。見ている間に終わりましたので、旧楽ナビの90分に比べると雲泥の差です。

ただ、今回の更新でどれくらいの内容が書き換わったのか、詳細は不明で、実際のアップデートにかかる時間は11月の初回更新データーリリースを見ないと分からないのですが、Wifiでの直接ダウンロードからの直接アップデートはかなり期待のできるスペックだなと感じました。これなら不満は解消されそうです。

画面操作は快適

まずは画面操作のレスポンスから。

端的に言って、とにかく速いです。もちろん、最新スペックのスマホで動くスマホナビアプリの操作感と比べたらスクロール等は遅いのですが、通常運転中に使うナビとしては必要十分なスペックと感じます。

画面スクロールもそうですが、ボタンをタッチしたときの反応も速くて良いです。一点だけ、静電容量式の弱点にはなるのですが、たまにタッチしたのに無反応なことがありますが、これは誤操作への対応なので、ちょっと意識して強めにタッチすれば問題有りません。

ステアリングリモコンや画面のボタンをタップしたときのレスポンスがとにかく速くて快適です。ルート検索もリルートの反応も速くて、とにかくあらゆる操作へのレスポンスについてストレスが無くて良いです。

買い替え検討時は、特に現在位置ボタンなどは物理ボタンじゃないと操作性が悪いなんていう声もあって、全面タッチパネルはちょっと不安もあったのですが、このレスポンスなら問題ありません。全面タッチ操作になったことで、タッチ〜レスポンスの流れに操作の一貫性があるのがむしろ好印象です。

HD液晶の情報量

HD液晶になって、地図の情報量が増えて、旧機種では標準尺度を100mにしていたのを、今は200mにして使っています。それでもロゴや文字が潰れずしっかり視認できるというのがポイントです。高精細になったことで、付加的な情報が表示されるポイントも増えていて、使い勝手が良くなっています。

カーナビの画面解像度については、結局運転中に使うものとして考えた場合、そこまでの解像度は必要無いとも考えられるのですが、UIの作りの工夫もあって、HD液晶をうまく生かした画面構成になっていると思います。

やっぱりHD液晶は良いです。

音質は期待を裏切らず

オーディオの音質は悪くないです。そこそこ良い音で満足できています。上位機種になると外部入出力が付いて、ハイレゾにも対応してきますが、普通に使う分にはこれで十分かなと満足できています。

ネット常時接続

旧モデルだとネット接続って、通信量をそこそこ抑えるような動きをしていたのですが、本機は完全な常時接続の動きをしています。その代わりに、Bluetooth PANに対応しなくなったのは惜しいところですが。

Wifiはやっぱり速いです。Bluetooth PANに比べると格段に速いです。ただ、Bluetooth PANのほうが断続的に交通情報を取得するようなケースでは安定性が高かったように感じます。これはWifi AP側の動作の問題もあるので、なんとも言えないのですが、たまにしれっと繋がってないことがあるのが残念なところです。

本当はBluetooth PANとWifiと使い分けして欲しかったところですがね。前述の通り地図更新がダイレクトでいけるのはメリットが大きいです。

そんなわけで、通信事業者のインターネット契約はもはや無制限かそれに近しい大容量プランで、Wifiテザリングでカーナビを繋いで使うのが当たり前になった感じがします。正しい方向性だと思っています。

VICS WIDEの受信感度は様子見

今回、ETC2.0のビーコンも無くなってしまったので、交通情報についてはVICS WIDEに期待するしか無ありません。念の為、ブースターも入れて受信感度を見ているのですが、今のところは様子見かなという感じです。

正直、FM VICSについては、受信出来ないときは受信できないので諦めるしかないのですが、これまでのところ、普通に都内で幹線道路を走っている限りは、5分毎に情報更新されているのを確認できており、渋滞時のリルートもされていますので、実用上問題のない動作をしていることは確認できています。

ただ、図形情報がなかなか受信できないのがビーコンに比べると残念なところで、スマホの渋滞情報アプリはますます手放せなくなった気がします。

NaviConが凄かった

そんな感じでそこそこ使い勝手の良い最新楽ナビですが、実は旧楽ナビでは出来ていた目的地の音声検索ができなくなっていてちょっと不便な面もありました。しかしながら、これを完全に凌駕する素晴らしいアプリが提供されています。NaviConです。

NaviConはカーナビとBluetooth接続したスマホ(Android、iPhone)で使えるアプリで、Bluetooth経由でカーナビと連動して、地図が操作できます。

アプリ上で目的地を検索し、そのままナビに送信することで、目的地設定ができます。もちろん、目的地検索はスマホアプリ上の地図で行えるので、サクサクと探し出すこともできるし、音声入力で検索することもできます(※若干、地図上の名称での検索対象が少ないように感じることもありますが、そのときは地図から直接ピンを落としてしまったほうが圧倒的に速いです)。

これが本当にアホみたいに快適なので、ちょっと近くに出かけるときもサクサクと経路設定をしてしまうようになりました。今までだと目的地設定が面倒だったんですが、これなら全く苦になりません。今回カーナビ載せ替えて一番良かったポイントです。

むしろ最新楽ナビ使っていてこのNaviCon使わないのはもったいないです。

ETC、光ビーコンが無くなって思ったこと

改めて、今回楽ナビを載せ替えて、今まで繋がっていたETCと光ビーコンユニットが無くなったことで、ビーコンの受信ができなくなったわけですが、おかげでずいぶんとナビが静かになったなぁと思っています。普通のナビってこんなに静かなんだ・・・という発見がありました。

一方で、若干想定外だったのが、ナビ連動するETCユニットは、全く音声出力ができないということです。ブザーは鳴るのですが、料金案内やETCカード有効期限通知などは一切できません。

調べてみたら、最近のETCユニットって、ナビ連動するものとしないもので完全にラインナップが分かれていて、ナビ連動するモデルは音声出力が無いというのが一般的なようです。ETCユニットとして、機能的には問題ないのですが、利便性考えるとやっぱり音声出力のあるモデルに買い替えないと辛いかなぁと思った次第です。

ビーコンで受信できていた交通情報が取得できなくなって、ナビの案内精度が落ちたか、というと、多分そんなに変わりません。基本、受診した渋滞情報のすべてを常に使っているわけではないので、VICS WIDEが受信できていれば、普通に使えます。

一方で、例えば前方の高速道路で事故渋滞や規制がある場合の図形情報が見れなくなったのはちょっと不便かもしれません。これについては、スマホの渋滞情報アプリのほうが使い勝手が良い面もあるので、ビーコンが絶対必要とも言えないところではあるので、なんとも悩ましいところですが。

FM VICSの受信が安定しれいれば、概ね困らないかなというところで、大きな問題とは感じていません。

一方で、気になったのは、じゃあこのビーコン情報を有効活用できている人・車ってどれくらい居るんだろうというところです。結構な設備投資がされているはずなんですが、カーナビと対応する受信装置を持っている人しか使えないわけです。VICSビーコンをスマホに飛ばす取り組みもあったみたいですが(DENSOのBluetooth対応ETC車載機があったみたいで、これはこれで気になります)、今はカーナビが必要な状況です。しかも光ビーコン受信まで対応しているETC車載機は結構な値段ですので、よほど好きな人じゃないと買わないでしょう。

その昔はITSスポットなんて取り組みもありましたが・・・そんなことよりETCXみたいな道路外での利用を広げてほしいなと思っていたりします。

結論、カーナビも侮れない進化をしていた

以上、AVIC-RZ121に載せ替えて使ってみた感想です。最近はカーナビアプリが盛り上がっていますが、一方で専用機もちゃんと進化しているのを感じられる製品でした。

カーナビ自体の機能のコモディティ化も相まって、エントリーモデルでも機能的にも性能的にも十分満足できる製品に仕上がっているのには驚きました。一方で、やはりエントリーモデルなので、削られている機能には注意が必要です。ETC連動機能とか・・・。

ただ、基本的なカーナビとしての機能はエントリーモデルでも必要十分だと思いますので、十分選択肢になりうるものだと思います。

こうなってくると、自然な流れとして、メーカー純正ナビやディーラーナビのような、車両と同時に購入されるカーナビが十分実用的になってくるので、アフターパーツ市場はさらに厳しくなるかなぁと感じるところもあります。ただ、製品寿命が車両本体とは違うという面もあるので、アップグレードプログラムみたいなものは今後提供されてくるかなと期待します。

スマホナビは発展途上か

今回、検討したAndroidナビやスマホナビは、確かに進化が目覚ましいのですが、現時点での私個人の評価としてはやはり発展途上というか、未知の部分があるなぁという所管です。

どちらが優れているかというのはもはや判断が難しいレベルになっているので、好きな方を選べば良いと言える程度には、Androidナビ、スマホナビも進化しているとは思います。ただ、長らく専用機を使ってきた経験から見ると、測位性能や車載機としての安定性の部分にまだ未知数の部分があるかなというのが私の評価です。

ITSはオープン化してほしい

最後に。ETC車載機とナビの連動の件をちょっと調べていて思ったところですが、この辺、オープンな規格にできないのかな、というのが率直な感想です。Androidナビと連動するETC車載機が登場する可能性って、現状ほぼ無いと思うんですよね。国産ディスプレイオーディオでもこれはきっと難しいでしょう。理由はAndroidAutoやCarPlay等のスタンダードに従っているためで、これらが仕様的に繋がる状態にならないと実現できないのではと思っています。

私が次にカーナビを買い替えるのがいつごろになるの分かりませんが、何か良い方向に進化してくれると嬉しいなと思っています。

ミニマルなカーナビは良いぞ

それでもやっぱり、今回「ミニマル」に拘ったのは良かったかなと思っています。

地デジアンテナが無くなり、HDMIやAUX入力端子が無くなり、ETC連動もできなくなり、SDカードスロットすら無くなりましたが、今どきのカーナビはBluetoothとWifiが繋がりさえすればなんとかなります。最新機種はWifiの広帯域を活かして常時接続で渋滞情報や気象情報を収集でき、情報端末としての完成度が上がっています。

雨雲レーダーの重畳表示などの気の利いた機能は今後是非カーナビ専用機にも実装を進めてほしいところですが、性能面から見て、実現される可能性は高いかなと感じています。

結論、2024年楽ナビ最新モデルはかなり良いモデルに仕上がっていると思いました。

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