ETC車載機をDIYで取り付けしました。カーナビ交換したらETC車載機が連動できなくなって、音声案内も一切してくれず不便極まりないため、仕方なく載せ替えとなりました。せっかくなので、パナソニックの日高のり子アナウンスモデルにしてみました。
ETC車載機の更新が必要になった
予定外、予想外のトラブルというのは、ときおり訪れることがあります。カーナビ載せ替えたら、ETC連動できなくなりました。
国産ブランドのカーナビならどんなローエンドモデルでもETC連動できると思っていたのですが、楽ナビは上位モデルしか対応していなかったんですね。完全な事前確認不足で、取り付け途中で「あ、端子が無い」って気づいたレベルです(※実話)。真面目に焦りました。PanasonicもKENWOODも当たり前のように連動できるのに、うーん。
とは言え。別にカーナビと連動できなくてもETC車載機としての機能には問題ありません。ETC支払いには普通に使えるんですがね、この車載機が全く音声案内してくれないんです。
調べてみたら、最近のETC車載機って、ナビ連動モデルと非連動モデルがきっちり分かれており、ナビ連動モデルは音声案内に対応していません。スピーカーも付いていません。流石に料金案内すら無いとなると、実用上辛すぎます。
しばらくは我慢していたのですが、これは実用上問題アリだなと思い、音声案内付きのモデルに載せ替えることにしました。
パナソニックの「日高のり子』モデルを選択
条件は音声案内対応でETC2.0対応のもの。筐体タイプとしては実質セパレートタイプしかありませんから悩む必要はなし。GPS対応か否かというのが選択肢になるのですが、せっかくなので対応モデルにしようかな、とか機種選定していきました。
ただ、ETC車載機ってそこまで機能差も無いので、ぶっちゃけどれでも良い感じです。じゃあ安いほうが良いわけですが、やっぱり拘りたいところもあるわけです。そんなわけで、途中からパナソニックの「日高のり子」モデルを買いたい気持ちになっていました。
先にオチを言ってしまいますと、実際日高のり子ボイスが流れるタイミングはそれほど多くありません。料金案内等の合成音声は別の声色になっています。それでもちょっと楽しい感じが良いです。
気になっていたのが、ETC2.0のビーコン情報音声案内の実用性です。カーナビ交換前はビーコンの音声と図形と両方をナビで受信していたので、どんな情報が案内されてくるかの想像は付くのですが、これが音声案内だけになって、実用的なのか否かは結構気になるところです。これも結論から言うと、悪くなかったですね。普通に便利だと感じました。
『事前セットアップ』をお願いしてみた
ETC車載機はセットアップを行って取付車両の情報を登録することで初めて道路上で使えるようになるんですが、これをどこで行うかが問題です。普通にカー用品店やディーラーで取り付ける場合には、そこでセットアップまでお願いできるのですが、自分で取り付けるとなると、セットアップを取り付け後依頼するか、あるいはセットアップ済みのものを買うか、という選択肢があります。当然これは、どこで買うか、誰に取り付けてもらうか、にも関連します。
今回は載せ替えになるということもあり、またDIYでのナビ取り付けを行った後で、電源配線など、自分の好きなとこから取りたいところもあったので、結局通販で「セットアップ込み」のものを購入し、DIYで取り付けることにしました。
Amazonではあまり見当たらないですが、Yahooや楽天を探すとセットアップ込みで出店されているストアも散見されます。対応内容に大きな差はないので、納期や価格、レビュー評価などでお店を選択すれば良いです。今回は「てんこ盛り!」さんにお願いしました。
セットアップの申し込みはメールの指示に従うだけ
事前セットアップの申し込み方ですが、基本的には、購入後のメールでの案内に従うだけでOKです。思ったより簡単でした。
委任状をダウンロード(自著欄アリ)
物理的な紙が1枚だけ必要です。セットアップに関する委任状に自著欄がありますので、これだけは印刷して手書きで準備しないといけません。サンプルなどもありますので悩むところは無いと思います。
免許証、車検証、委任状を写真で撮ってメール
セットアップの申し込みは、免許証、車検証、委任状を写真で撮ってメール添付すればOKです。当然ながら鮮明な写真で送らないと受理されませんので注意してください。
メールが受理されれば、作業は速やかに開始されます。今回はオーダーから実質2営業日程度で発送されてきました。
委任状原本郵送
セットアップ作業自体はメールでデータを送った段階で開始されるのですが、手続き上、委任状原本は事業者保管の必要があるので、郵送する必要があります。
この郵送について注意喚起されていたのが、「切手代の不足」についてです。そもそも切手貼らずにポストに投函するような輩は論外として、ポイントは郵便料金って結構変わってるんですよね。なので、古い切手が残っていて、そのまま使うようなケースで料金不足になっていることがあるようです。
私は面倒なので、封筒一つでも郵便局窓口に持っていってしまいます。支払いはキャッシュレス(バーコード)での支払いにも対応しているので、むしろ便利だと思っています。
CY-ET2620GD到着&取り付け
セットアップとかちょっと不安に感じていたのですが、手続きも簡単で、あっけなく手元にCY-ET2620GDが届きました。
CY-ET2620GD
新しい車載機Panasonic CY-ET2620GDです。
セットアップ書類と共に送られてきました。
セットアップ証明書は車検証と一緒に車に積んでおきます。
こちらが本体パッケージです。至ってシンプルなパッケージです。
取扱説明書と取付説明書です。そういえば取説読まずに使っている気がします。
付属品です。ケーブルを止めるためのタイラップなども付属しています。
本体はちょっと奥行きの短いスタイルで、取り付け場所を選ばないコンパクトな筐体です。背面には車載機番号などの記載されたステッカーがはられています。このステッカーは、あとで車載機番号を使うときのために写真撮っておいたほうが良いと思います。
既設ETC車載機取り外し
今ついている車載機を取り外します。
ETC車載機専用ホルダーに収まっていますので、これを取り外します。
アンテナはあとで新しいアンテナと交換する形で張り替えます。
ディーラナビのETC車載機は三菱製でした。比較すると新しいETCユニットがコンパクトなのが分かります。
ETC車載機は両面テープで結構しっかりと固定されていますので、スクレイパーを使って丁寧に取り外しました。前回カーナビのフィルムアンテナを剥がすために買ってきたプラスチックスクレイパーはいろいろなところで使えて便利です。
CY-ET2620GD動作確認
この段階で、新しいETC車載機CY-ET2620GDの動作確認を行ないました。
電源ケーブルとアンテナを繋いで、ちゃんと動くか確認します。日高のり子ボイスが流れて安心しました。電源ケーブルについては従来の車載機はACCとアースだけでしたが、この機種は常時電源も繋がっています。
アンテナ交換
アンテナを交換します。ケーブルルートはそのまま踏襲します。
ETCアンテナはアイサイトユニットのカバーの裏を通って天井の内張りに入っていきます。ここにフックが取り付けてあるので、これをそのまま活かし、アンテナも全く同じ位置に取り付けます。
アンテナの比較です。CY-ET2620GDのほうがスピーカーとGPSアンテナを内蔵しているので、結構大きいです。
ガラスへの貼り付け面もちょっとサイズ大きめですが、貼り付け箇所に収まらない大きさではありません。
貼り付け完了です。ケーブルも張替え完了。余ったアンテナケーブルの取り回しについては、あまり小さく巻くことは奨励されていないので、余裕を持って巻いてインパネ裏に収めました。
CY-ET2620GD設置
最後に本体を設置します。
これが意外に悩ましかったです。まず、上下どちらの面を上にするか。
ボタン類が上面にあるため、こちらを下側にしたほうが操作もしやすそうです。一方で、本体サイズが短いため、この状態で前のほうに付けすぎるとケーブルの端子が抜けなくなる不都合もあります(コネクタの爪が本体の上面側を向いており、裏返すと爪が押せなくなるためです)。なかなかポジションのバランスが悪くて取り付け位置は悩ましかったです。
最終的にはこれくらいの深さで落ち着きました。
ケーブルを片付けて完了です。かなりケーブルが増えてしまいましたが、見た目の割に実は使い勝手は悪くありません。
CY-ET2620GDレビュー
早速ドライブです。この車載機はセットアップ済みなので、すぐに使えるのが良いところです。それでも初めてETCゲートを通る時は緊張しました。
カードをいれるとこんな感じで光ります。ちゃんと日高のり子ボイスでアナウンスされました。
アンテナ部のLEDもカード挿入で点灯します。そんなに眩しくなくて良いです。
近くのETCゲートのあるインターから高速に乗ってみました。普通に使えて良かったです。気になったところとしては、ゲート通過時の信号音やタイミングが若干変わっていて、一瞬驚きました。この辺はメーカーや機種による差が出るところですね。
料金の音声案内もちゃんとされたし、使い勝手が良くなりました。音声案内無しはやっぱり辛いです。
事後処理ですが、ETCマイレージサービスは車載機番号を更新しないとポイントが付いてきませんのでサイトから登録変更が必要です。ちゃんとポイントが付いているかどうかは走行後しばらくしないと分からりませんので忘れずに確認しましょう。私の場合、丁度ポイントが還元されたタイミングに当たったのですが、当然ながら車載機変更後もちゃんと引き継ぎできていました。
ビーコン&災害・危機管理通報サービス
懸念された音声のみでのビーコン案内ですが、ぶっちゃけ「思った以上に使える」印象です。元々、画像情報と音声情報が両方ナビで確認できる状態だったのですが、音声のみの案内でも十分有益だなと感じています。むしろナビの画面を気にしなくて良いのは、悪くないです。
ETC2.0のビーコン情報では前方の渋滞状況や所要時間、故障車や障害物などの発生を比較的的確に案内してくれるので、ナビと連動しなくても十分有益です。もっと使い勝手悪いかと思っていたんですが想定外でした。
そして「災害・危機管理通報サービス」、これはみちびきを経由して広域の災害・危機管理情報を案内してくれる機能です。丁度このETC車載機を取り付けたのが8月の下旬ころだったため、夏の終わりの豪雨による土砂災害警戒情報の案内をこの機能で確認することができました。特に都道府県単位での警戒情報が中心になりますが、ドライブルートの参考にもなりますし、十分有益だと感じました。
総じて、ETC2.0車載機って、ナビと連動しないと色々な機能を活かしきれないんじゃないかと懸念していたのですが、音声案内でも十分使える機能になっていて好印象です。予想外に悪くないです。これならちょっと値が張ってもETC2.0車載機を選ぶのも悪くないかなと思いました。
単体ETC2.0車載機も悪くない
以上、カーナビ載せ替えたらETC連動できなくなったので、ETC車載機を単体音声モデル「CY-ET2620GD」に載せ替えた話でした。
正直、ETC2.0車載機ってナビ連動しないとかなり機能を活かせないところが多いかなと思っていたのですが、単体でも思った以上に使い勝手が良かったのが印象的でした。これならアリだなと思います。ETC2.0のサービスや付加機能に興味のある方はこちらの製品を含め、ETC2.0車載機を選ぶ価値はあると思います。
一方で、どうしてもETC2.0車載機はETC2.0非対応の車載機に比べると若干高額になります。ETC2.0限定の割引施策も行われているため、「ETC2.0でお得になるか」という話題もありますが、基本的に普及支援策はいつまでも続くものではないので、あまりお得か否かで判断するのは良くないかなと考えます。
また、「最新のセキュリティに対応しないETC車載機が使えなくなる」という話題もありますが、こちらの対象はかなり古い機種ですので、慌てて買い替える必要は無いかと思います。ただ、セキュリティ周りは常に不具合の発見や攻撃の脅威のリスクがありますので、より新しい機種を選んでおいたほうが安全性が高いのも事実です。ETC車載機は新しい機能が常に追加されているような機器でも無く、不具合でも無い限り無意識に長く古い機器を使い続けてしまいがちです。たまには気にしてみるのも良いかと思います。
最後に、今回DIYでETC車載器を取り付けてみましたが、配線周り含め、満足度はかなり高いです。電装系DIYはハイリスクハイリターンな面もあるのでオススメはしませんが、配線が思い通りになっているというのはなかなかに気持ちの良い面があります。
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