2024年7月、納車から8年目を迎えたXVハイブリッドのディーラーナビをバージョンアップしました。このブログでは、紆余曲折あって結局「楽ナビ」のアップグレードに至った経緯を記載します。
ディーラーオプション「楽ナビ」8年目の不満
私のXVハイブリッドには、ディーラーナビとして選んだ「楽ナビ」AVIC-RZ99Pというモデルが搭載されています。
前車ではサイバーナビを付けていたので、若干ダウングレードにはなっているのですが、サイバーナビは機能面を考えてもちょっと割高だし、楽ナビで十分じゃね、って思っていました。オプションとしてETC2.0車載器に加え、ビーコンユニットも接続して、かなり機能的には充実した環境だったと思います。
ただ、8年も使っていると、いろいろと不満が出てきました。
画面が狭くて情報量が少なく、操作感が悪い
まずは画面に対する不満です。解像度がSVGAで、画面センサーは感圧式という、当時としては比較的スタンダードなものでしたが、やはり情報量の少なさや操作感の悪さを感じてしまいます。
スマホと比べても仕方がないのは分かるのですが、日常的にスマホを使っていると使用感の違いがどうしても気になります。操作感はリモコンでなんとかなるのですが、画面情報量はいかんともし難く、改善できないかなと思っていたのでした。
バージョンアップに90分かかる問題
どちらかというと、こっちが致命的だったと言えます。このナビ、年に2回の地図の全更新の間、90分間、全く画面操作出来ない時間が発生します。
別にナビが使えないだけなら我慢出来なくもないのですが、バックカメラも使えず、音楽も聞けません。かなりの苦行です。
それ以前に、SDカードに5GB弱のデータを転送するのも辛かったです。流石に8年前と比べると、インターネット回線のスピードも容量制限も増えて、ダウンロードすること自体のストレスはかなり減ったのですが、その後このデータをナビに読み込ませる90分は我慢なりませんでした。
カーナビ載せ替えを考える
そこで、真面目にカーナビの載せ替えを検討することにしました。この8年の間に、カーナビ周りの環境もいろいろ変わってきたので、その辺の状況を踏まえて、買い替えの方針を決めようと考えました。
そろそろAndroidナビにしてみる?
今回、ナビを買い替えようと思ったもう一つの理由が、Youtubeでやたらと見かけるATOTOの案件動画でした(苦笑)。確かに機能的にも魅力的ですし、「専用機もう要らん」と言いたくなる気持ちも分かります。
調べてみるとAndroidナビもいろいろ出ていて、有名どころだとATOTO、PORMIDO、KASUVARあたりの名前が出てきます。Bluetoothなど技適の問題もあるので、あまりマイナーなメーカーのものは使いたくないので、選ぶとしたらこの辺かなという感じです。
本体のAndroidナビに加えて、ほとんどの機種がCarPlay、AndroidAutoにも対応しているので、この辺の機能を網羅したものを選べば間違いなさそう。イメージといてはAndroidタブレットっぽいなぁという印象でした。
ディスプレイオーディオも良さげ
もう一つの選択肢として考えたのが、ディスプレイオーディオです。こちらはAndroidナビのように本体にナビ機能はありませんので、CarPlay、AndroidAuto専用機となりスマホとの連動が前提となります。
ディスプレイオーディオについては国産カーナビメーカーがいくつか製品を出していますので、比較的選択しやすい製品ではあります。ただ、そんなにラインナップが豊富でもありませんし、長らく新製品が出ていないシリーズもあります。
これおそらく理由は簡単で、むしろカーナビを毎年リリースしなきゃいけない理由って結局「一定期間の地図更新サービスを付けるため」だから、ディスプレイオーディオについては新製品を出す理由が無いのではないかと思いました。実際、カーナビも最近のリリースで大きく機能が改善されたところは見受けられませんので、地図更新さえなければ実は毎年出す必要はないのではないかと感じます。
一方で、ディスプレイオーディオそのものにそこまで需要が無いという面もあるかなとは思います。カーナビ専用機に比べるとやはりユーザーを選びます。
そんな中で、今回ディスプレイオーディオに注目したもう一つの理由が、定番アプリが揃ってきたことです。Yahooカーナビに加え、トヨタのmovLink、そしてパイオニアのCOCCHiが登場し、スマホナビ、ディプレイオーディオもにわかに盛り上がっています。
特にCOCCHiについては実際私自身も課金して使ってみましたが、使い勝手はかなり楽ナビに近い印象を受けました。これでいいかも、と思えるレベルのアプリが揃ってきたのは注目点だと思います。
専用機の優位性と必要性
スマホナビも含め、こうした新しいプロダクトが揃ってきたことで、もうカーナビ専用機なんて要らない、なんて論調もあるようですが、ふと気になって、改めて専用機じゃないと出来ていないことっていうのをまとめてみました。
ITS
広く「ITS」と言ってしまいますが、要するにVICS、ETCへの対応です。
VICSについては、渋滞情報をインターネット経由で配信する仕組みができてきたことで、スマホ等のアプリケーションでも渋滞情報を参照できるようになってきてはいるのですが、一方で、次世代ビーコンなどのインフラに対応しているのは今のところ専用機(専用機+受信機)だけのようです。
これがスマホナビなどで受信&表示できるようになると嬉しいのですが、今のところまだ実現されていない模様。個人的には、ビーコンを受信してスマホにBluetoothで投げつけるデバイスとかあったら嬉しいなぁと思うのですが。
ETC車載器との連動できるのもカーナビだけ。っていうかカーナビ各社が連動できる専用のETC車載器を販売しているような状況で、規格がオープンになっているようなものではないということです。
できればもっと広くあまねく様々なデバイスが連係できる基盤として整備して欲しいところなんですがね、今のところはこの辺はカーナビ専用機の独自の強みになっています。
測位性能
カーナビは、GPSに加えて車速、ジャイロ、電子コンパス、Gセンサーなどの計測値と地図情報のマッチングによって、正確な自車位置を計測しています。Androidナビやディスプレイオーディオはこういった測位に関連する付加的な機能に対応していないものが殆どです。
国産ディスプレイオーディオの中には、独自に車速入力やセンサーを取得しているものもあり、その情報をスマホ側に送って測位情報として使っているものもあるようです。ただ、実際スマホアプリ側でその情報を使っているかどうかは分からないらしく、デバイス側としては「CarPlay/AndroidAutoに情報は送っている」とのことです。実際のところ、トンネル内でも位置がずれない、というレビューもあるので、この辺に優位性のある機種もある模様です。
一方で海外製のAndroidナビなどは車速入力すら無いものが殆どで、トンネル内での自車位置なんてあまり気にされていないとか言われています。個人的には、日本ってトンネル多いしなーと思うところもありますが。
とにかく、カーナビ専用機の測位性能はかなり高いです。そのためにいろんなセンサーを積んでいます。ただ、これはそのまま価格に跳ね返るわけですが。
スマホも様々なセンサーを搭載しているので、スマホナビなら専用機並の測位性能が出せそうな気もするのですが、そこはしっかりダッシュボードに固定されている専用機のほうにやはり優位性があるのではと感じます。
ちなみに、異様に測位性能が高いデバイスとしては、「レーダー探知機」もあるんですよね。この辺、日本のカルチャーなのかなぁと思ったりもします。
車載機としての品質
カーナビ専用機の偉大な点の一つとして、車の中という過酷な環境でもしっかり不具合を起こさず動作するっていうところがあると思います。
車の中って、振動するし電源は不安定だし、ノイズは多いし暑いし、電子機器にはかなりハードな環境だと思います。実際、後付のデバイスが不安定になったり壊れたりという話題には事欠きません。純正品含め、車載を想定して設計された機器というのは、この辺の品質をしっかり考えられているということです。
結果としてこれも価格に反映されるところはあると思います。
地デジ
そういえば地デジもありましたっけ。ただ、最近あまりテレビが見れる、っていうアピールより、Youtube、Netflixが見れる、っていうアピールを良く見る気がしますがね。
日本の道路を走るなら、やはり専用機か
以上見てきて分かったことは、普通にカーナビとして使うならやっぱりカーナビ専用機が良いという現実でした。ITSの件もそうですが、結局日本の道路事情に一番フィットするのは専用機なんですよね。もうちょっとオープンスタンダードなほうが嬉しい気がする一方で、カーナビの選択肢としての専用機っていうのは、なるほど魅力が多い面もあるんだな、と再認識した次第です。
結論、「楽ナビ」最新版へアップグレード
ここまで色々見てきた結果として、今年発売されたばかりの「楽ナビ」にアップグレードすることにしました。
Androidナビ・ディスプレイオーディオは今後に期待
散々迷ったAndroidナビ、ディスプレイオーディオについては、「今じゃない」という結論です。もちろん魅力的な製品ではあるのですが、VICSへの対応や測位性能など、カーナビとしての機能の現状に若干の不安を感じて、専用機にしました。もちろんこれはカーナビに何を求めるのか、という優先度によるものなので、決してモノが悪いということではないです。
ぶっちゃけ、Androidナビは安いオンダッシュの機器を別途サブ機として搭載しようかと思っているくらいです。
ATOTOが次期製品でセンサー類を強化するというアナウンスをするなど、まだまだ発展途上の機器という印象もあり、もう少し進化してから検討すべきかな、と思い、今回はコスパの高いカーナビ専用機を選択することにしました。
やっぱり実績は大事
何より今ついているのが「楽ナビ」だから、というのは大きなポイントでした。カーナビっていわゆる「半完成品」で、車両に取り付けてやっと機能として完成する製品です。今ついている楽ナビの配線や端子類の接続についてのナレッジは活用したいところで、楽ナビにすることにしました。
実は鬼門だったのが「ステアリングリモコン」です。ステアリングリモコンって、接続方法がメーカー、車種、車両ロットなどによって結構バラバラで、使える組み合わせを見つけるのも案外と面倒だったりするんですよね。私の乗っているXVハイブリッドはもう既に古い車種ということもあり、接続に必要となるハーネス類の入手性の懸念も出てきます。
ステアリングリモコン以外にもアンテナ線やバックカメラなど、今つながっている構成をなるべく活用できるほうが楽かな、ということで、結局「楽ナビ」にすることにしました。
性能も機能も向上している
「カーナビ専用機なんて要らない」という意見もありますが、カーナビもカーナビとして進化しているのも事実です。画面はHD液晶になり、タッチセンサーでスワイプ、ピンチイン・アウト操作も可能と、操作感はほぼほぼスマホと変わりません。確かに最新スマホほどのレスポンスは叶わないですが、店頭で触ってみた感じ、必要十分かなというところです。
特に不満点として懸念していた地図更新については、ネット接続がBluetooth PANからWifiになり、常時接続を前提として本体でダウンロード可能になっています。時間がどれくらいかかるかは分かりませんが、時間が短縮されていると期待します。
「楽ナビ」だっていいじゃない
実は当初から、サイバーナビに買い替えるという選択肢はずっと考えていたんですよね。ただ、現状、サイバーナビはフローティングモデルが未だ出ていないなど、シリーズとして存在意義が微妙になってきている印象です。ハイレゾ以上の音質を求めるなど、条件があえば選択するところでしょうが、サイバーナビはちょっと現状選択しにくいかなというところです。
楽ナビはサイバーナビに対してエントリーモデルという位置づけだったのですが、機能が高度化する中で、差異を付けるのがだんだん難しくなってきているのを感じます。現状の差別化要素として、接続インターフェースの数や種類がありますが、CPUの処理性能の差によって使用感が明確に異なるような、そういった差分は付けにくくなっているのが分かります。
これは楽ナビ、パイオニアに限った話ではなく、パナソニックやケンウッドでも同じ状況に見えます。結局、一番売れているのがエントリーモデルなのは、値段以外にも機能的な満足感があるからなんだと思います。
AVIC-RZ121を衝動買い!
というわけで、AVIC-RZ121を衝動買いしてしまいました。
ミニマルなグレードを選択
このRZ121は最新「楽ナビ」の中でも最も下位のグレードのモデルで、実売価格は6万円程度、とにかく安くて、HDMIも光学ドライブもついていない、何も無いプレーンなグレードです。
実は一番大事だったのが「地デジチューナーが無いこと」です。フロントガラスの地デジアンテナがどうにも邪魔で、これを外したいなぁと思い始めてしまったのが運の尽き、もうなんとしても地デジチューナー無しモデルが欲しくなってしまったと。
一方で、基本的なナビ性能や、サウンド周りの機能に上位モデルとの差分が無いことは確認しています。楽ナビの音質は必要十分だと思っているので、ここは結構気にしていたポイントでした。
ETC連動できないのは想定外だった
早速ですが、最下グレードを選んだことで失敗した点がありました。なんとETC連動できないんです。
パナソニックやケンウッドだとできるんですが、楽ナビは下位モデルになるとETC連動できません。要するにインターフェースが無くなるんです。ETC連動させようとするとRZ721以上が対応しているんですが、要するに楽ナビの中では最上位クラスの機種しかETC連動していないという。
これ実は私、全く気づいていなくて、取り付けをしている最中に「ETC繋げる端子がない!」ってパニックになったくらいでした。実話です。びっくりしました。
結果として、ETC車載機も買い替えることになったのですが、それについてはまた別途。
久々のDIYカーナビ取り付けへ
取り付けはDIYです。正確には、既設の楽ナビを外して、新しい楽ナビを取り付けます。
カーナビ更新を考えていた当初は、ハーネス類も流用すれば楽ちんかな、と思っていたのですが、古いカーナビを下取りに出すことを考えると、ハーネス類は新規に購入したほうが良さそうということで、結局「大改造」になってしまいました。
だいたい、ETCが繋がらなかったところでちょっとカチンと来ちゃって、結局全部配線しなおしたという実情なんですが。
次回、AVIC-RZ121取り付けへ続きます。
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