2022年の9月、ついにLEI03+を取り外しました。セルスターのAR-W87LAに交換になったのですが、今回は結局LEI03+を取り付けてからこれまでの経緯と、結局「萌えレーダー」は必要だったのか?という話をまとめて、LEI03+レビューの最終回としたいと思います。
結論から言うと、萌えレーダーは要らんかったかも。
LEI03+とのドライブの果て
思えば、霧島レイモデルのレーダー探知機「LEI03+」を購入したのが2017年12月ですので、かれこれ5年近く、このレーダー探知機を使っていたことになります。
いろいろとエンタメ要素もありつつ、当時最新鋭のユピテル製レーダー探知機をベースとしたモデルということで、基本性能含め満足度の高い製品だったと感じています。とは言え長く使っているといろいろと気になるところも出てくると。
そして2022年9月、ついに載せ替えました。新機種はセルスターのAR-W87LAです。ユピテルでも霧島レイでもなく、セルスターの最新モデルです。こちらの機種についてのレビューは別記事にあげるとして、こちらの記事では霧島レイとのドライブの果て、その経過と結果について書いておきたいと思います。
コンテンツの「開放」には限界がある
先に結論を行ってしまえば、やはりレーダー探知機での萌え要素の表現には限界があったなぁというところです。確かに大量に音声コンテンツを用意されており、ユーザーを飽きさせないような工夫はあったと思うのですが、車を運転している時間中、ドライバーの前に露出するコンテンツとしてはやはり厳しい面があったと言わざるを得ません。
新しく出たLEI05は、積極的にアップデートによるコンテンツの追加が行われているようですが、LEI03+は走行時間距離・時間によるコンテンツの開放しか提供されておらず、結局、同じようなメッセージを何度も繰り返し再生されるだけのBotと化してしまっていたのは惜しいところ。
一方でスマホのアプリなどでコンテンツの定期的な追加に慣れ親しんでいる一般的ユーザーからしても、この程度ではなかなか満足は得られないのではないかと感じます。加えて、コンテクスト(日時やドライブシチュエーションなど)による制御ももっとあってよかったかもしれないなと思っています。
走行距離や特定の場所を訪れた際に開放される「バッジ」という要素もありましたが、中には連続N日みたいな条件の厳しいものもあり、なかなか開放されずむしろストレスになるケースもあったり。しかもこのバッジも基本的に増えませんので、微妙です。
衣装も増やしてほしかったところですが、こちらもしばらく走ると全コンプしてしまい終了となってしまいます。
それでも未だ開放されていない音声は結構多くあるようなのですが、これらについても解放条件が走行距離なのか特定のシチュエーションなのか詳細が分かりづらいのが厳しいところです。別に個々の条件を教えてほしいみたいな、ズルがしたいわけではなく、こういうことをしたらこういうことが起きる、といった、ゲーム性の基本的なデザインを知らせて欲しかったなぁというところです。
ちなみに、県境フレーズは全県制覇ではなく、走行距離で開放されたようです。良くわかりません。
霧島レイが居ることの価値が薄い
霧島レイというキャラクターこそがこのレーダーの魅力ですので、当然ながら画面にレイを出しておく使い方がスタンダードな使い方として想定されていると思うのですが、実は最後のほうがほとんどレイを画面に出していませんでした。
要するに、煩いのです。
レイは荒っぽい運転をすると、転びます。そして転ばせ続けると、機嫌を損ねて画面から消えてしまいます。なかなかに可愛い設定なのですが、この転ぶ条件が厳しすぎるのです。
この転ぶ設定、動作としてはGセンサーの急激な変動に対応したものですので、丁寧に運転すればもちろん転倒を避けることは可能です。感度の設定もあり、感度を「弱める」こともできます。ただ、それでもやはり、レイは「転びがち」です。
これはなかなか難しい話なのですが、緩慢な運転が安全運転なのか、というところは議論のあるところだと思います。危険回避のための急加速、急ブレーキもありますし、急カーブもそこかしこに存在します。もちろん、連続して、レイを転ばせなければ良いのですが、転んで機嫌をそこねるレイを見ていると、若干、ウザく感じるわけです。
これが例えば、助手席に乗っている生身の人間だったりすると、「今のは危なかったねー」みたいなネタになるわけですが、レイはそんなこと知ったこっちゃなく、ドライバーを罵ってきます。それ以外にもレイが機嫌を損ねるシチュエーションはいくつかあるのですが、要するに普通に(※「普通」の定義には諸説あるという前提です)運転していてもレイが機嫌を損ねるケースは結構あります。具体的には、例えば、だいたい首都高を端から端まで走ると機嫌を損ねています。
つまり、実用的ではないのです。
確かに、エンタメ要素なので、あくまでレーダー探知機としては付加的な部分であるということは分かります。ただ、プロダクトとして見たら、ちゃんとレーダー機能とエンタメ機能が噛み合って、さらなる機能性や完成度を見せて欲しかったかな、と思うところです。
霧島レイを出現させておくとアニメーションが入る関係上、警告の粒度や距離感が変わってしまうところも頂けず、結局、日常的にはレイを消しておく(スタンダードモード)ことが増えてしまっていました。
データ更新料が高い
さて、ユピテルのレーダー探知機について、他社製品との比較で話題になるのが、データ更新費用の価格だと思います。年額で5000円くらいかかります。この5000円、キャッシュバック対象になっており、ユピテルのオンラインサイトでレーダーやドライブレコーダーを購入する場合、そのまま割引に補填できるプログラムもあるのですが、まあ実際ユピテルのサイトでこういったパーツを購入することは滅多にないでしょう。
しかもこのデータ更新料は、毎年かかります。そのため、ユピテルのレーダー探知機を購入する場合は、年次の維持費5000円を加味してコスト試算を行う必要があります。
これが高いか否かというのは案外と難しいところで、実は他社レーダー探知機に比べると結構ユピテルのレーダー探知機って、保持している情報が多い印象があります。直近、セルスターのレーダー探知機に載せ替えた結果として、そういえばあの情報はユピテルしか持っていなかったのか・・・と思うことがパラパラとあるので、この辺はホームページなどでスペックを確認してみて欲しいです。
ぶっちゃけ、ビューポイントパーキング案内は結構便利だったんだな、と思っていたりしますが。
とはいえ、レーダー探知機にどこまでの情報量を求めるか維持費と機能性と、いろんな要素でバランスを見る必要があると思いますので、価格感含めどうしても気になる要素ではあると思います。結論から言うと、私はしばらく(終盤の2年くらい)は契約していませんでした。
私にとっては、高かった。ここは結構人によって様々意見があるところだとは思いますが、お金がかかる点だけは要注意です。
不具合1。液晶が壊れた。
実はしばらく前から液晶が壊れてました。
画面の周囲が白くなっていますが、液晶に隙間ができてしまったようで、タッチしても反応しないところが出てきてしまいました。
原因についてネットで調べてみると、アルコールで拭くとこうなってしまうという情報があったりします。あるいは液晶保護フィルムを貼っていたのがもしかしたら悪かったのかな、と思ったりもするのですが、詳細は不明です。いずれにせよ、タッチスクリーンがまともに使えなくなっており、とても困っていました。
修理をするといっても当然ながら相当お金も時間もかかりそうなので、これはもう寿命と諦めて今回買い換えに至ったという、その一因でもあります。レーダー探知機は高温になる車内で使うものなので、この辺もうちょっと気にしておくべきだったかな、と反省です。
不具合というか、やっぱりOBD2は繋ぐのをやめようと思った件
LEI03+については購入当初から車体とOBD2接続を行い、車両情報を表示させて燃費の確認などを行っていました。OBD2接続自体は、LEI03+の前に使っていたAMZ93sd(GWR93sd)の頃から行っていたので、別にLEI03+で初めてというわけではありません。
OBD2接続については、本来推奨されるものではない、というのは有名な話です。そもそもOBD2とは車両診断コネクタで、車内ネットワーク(CAN)を通じて各種ECU(要するにコンピューター)に繋がる特殊なインターフェースです。ここに診断装置をつなげて車両情報を収集したり、パラメータを書き換えたり、という、整備目的の機能なのですが、ここに外部機器を繋いで車両情報をモニタリングできる機器が各種販売されている、というのが実情です。
OBD2のインターフェースですが、単純に繋いだら信号が流れてくるようなものではなく、プロトコルに従って車両とメッセージのやり取りを行い、データを収取するようです。結果、車両側のコンピューター(ECU)には負荷がかかると。なのでここに何かを繋ぐのは非奨励とされています。
いやいや、そこまでの影響は出ないよ、という意見もあるでしょうし、私もあまり意識はしていなかったんですよね。ところが。今回、レーダー探知機の買い替えに際して、LEI03+を取り外して、OBD2の接続も切って、しばらくドライブする機会があったのですが、なんと実際に運転フィーリングが変わってしまったんですよね・・・。
加速感も違いますし、高速巡航時の感触も良いです。むしろ燃費も良くなった傾向も見られています。もしかしたらフラシーボかもしれませんが、やっぱり不安は不安だったので、次はOBD2は繋がないで使おうと思っています。
そもそも、OBD2をレーダー探知機に接続することによるメリットとして、各種数値のモニタリングに加え、トンネルなど電波の届かない環境でも、走行位置のトラッキングができて、例えばトンネル内のオービスについても正確に警告できる点があげられます。
ただ、実際使ってみると、それでも数百メートル程度の誤差は出ることがあり(中央環状C2の長いトンネルですが)、実際どれほど効果があるのかは微妙かな、と思っている節もあり。
しかもOBD2接続ケーブルもこれまた高価なんですよね。という訳で、OBD2には余計なものは繋がないほうが良さそうだな、と思っています。
霧島レイとのドライブの果て
私はウィンターシーズン、毎週末スキーに車でいくような、要するに過走行な人です。年間2万キロを優に超える距離を運転します。なので、2018年にLEI03+を搭載してから、軽く10万キロ以上は一緒にドライブをしてきたわけです。
そんな私の結論として、レーダー探知機に「萌え」は必要だったのか?という質問に簡潔に答えるとしたら、「不要だった」になるかなぁーというところです。
前述の通り、「萌え」の要素には、コンテンツの更新性や対話性といった外的要因が絡み合って、初めて世界観として成立する部分が少なくないと考えています。LEI03+はこの事実を再認識させられるデバイスだったなぁと、改めて思いました。やはり組み込みデバイスには難しかったと。
つまり、霧島レイをプラットフォーム化できるようなデバイスじゃないと無理なんですよね。ユーザー側も、スマホアプリみたいな、そういった使い勝手に慣れてしまっている面もあるため、レーダー探知機のような車内デバイスでエンタメをどう見せるか、本来のレーダー探知機の機能とどうコラボレートさせるか、というのはプロダクトデザインとしてとても難しくもある一方で、とても面白いチャレンジであることは間違いないとも思っています。
直近ではLEI05が発売され、人気を博しているようです。今回のレイはちゃんとコンテンツの追加も行われるでしょうか。例えば、クリスマスやお正月といった、イベントによるアップデートも行われるでしょうか。霧島レイというキャラクターを表現するプラットフォームになっているでしょうか、気になるところです。
ただ・・・・レーダー探知機という機能に主眼を置いた時、自分の中の選択として、あの霧島レイモデルに5万円以上の価値を見出すのは正直難しいかなと思っているのが現状です。というわけで、さいようなら、霧島レイ。楽しい時間をありがとう。これが今の素直な気持ちです。
一方で。車内エンターテインメントの可能性はさらに高まっており、これまでのレーダー探知機やカーナビといったカテゴリから、新たなカテゴリとしてのディスプレイオーディオ、車載タブレットのようなものが登場してきています。つまり、まだまだ霧島レイには活躍の可能性があるのです。
そういえばレイが言ってましたね。LEI09の頃には、AIを搭載しておしゃべりできるようになる・・・そんな未来は、実はもう近くに来ているのかもしれない、と思ったところで、今日は終わりです。
コメント