キーボードの配列って「機能美」そのものであり、美しいことを是とすべしというのが持論です。そんな私、どうしても2021年以降、MacBookシリーズで採用されているキーボードが性に合わないんですよね。その理由について考察してみました。鍵はファンクションキー列です。
以下、勢いで書きなぐっただけなので内容はあまりありません(苦笑)。
新しいMacBookシリーズのキーボードに感じる違和感
2021年のMacBook Pro 14/16インチシリーズから、MacBookのキーボードが新しくなっています。2022年に発表されたM2 MacBook Airも同じキーボードとなっており、どうやら今後MacBookは標準的にこのスタイルのキーボードが採用されていくようです。
まじかよ、っていうのが正直なところなんですがね。だって、MacBook Pro 14/16インチが出たときに、これはプロ向け、っぽいこと言ってたじゃないですか。
ところがM2 MacBook Airでも同じキーボードで出してきました。
確かに、プロ専用とは言ってないので、それまでといえばそれまでなんですが(苦笑)。問題はそこではない。フルハイトのファンクションキーが不格好ではないかと私は言いたいのです。
ファンクションキーとはどうあるべきなのか
どこが不格好かといえば、ズバリ、ESCキーが大きすぎるんですよね。なぜこんなデザインになってしまったのか、理由は他のキーボードを見ると分かります。
これがSATECHIのスリムX1というキーボードです。AppleのMagic Keyboardに果てしなく近いとされるデザインのキーボードですが、ESCキーはこのように横長なスタイルになっています。このキーボードのファンクションキー列は幅は通常のキーと同じですが高さが2/3ほどになっており、全体としてバランスが良い形になっていると思います。
このように、12個のファンクションキーを横に並べようとすると、左右どちらかで位置の辻褄をあわせる必要が出てくるため、Magic KeyboardではESCを横に長くすることで隙間を埋めています。結果、このファンクションキー列がフルハイトになって、あの巨大なESCキーが出来上がったということです。
こちらはKeychron K1、メカニカルキーボード代表です。フルハイトのキーボードを採用する場合にはこれらメカニカルキーボードの配置が参考になるのではないかと思います。
こちらはもう少しコンパクトなe元素のメカニカルキーボードです。
一般にメカニカルキーボードの場合、ファンクションキーも通常キーと同じサイズのキートップになるため、幅を合わせるため、このように4個ずつに分けて配置されることが多いです。ESCは通常サイズで、ファンクションキー列は配置と隙間で位置がコントロールされています。
こちらはARTECKとBoyataのパンタグラフキーボードです。
ノートPCなどで採用されているパンタグラフキーボードを見てみると、これらは通常、サイズの異なるファンクションキーを採用したり、個々のキーの隙間を調整したりして、左右のバランスを取るのが一般的かと思います。そのためESCキーも通常サイズか、むしろ小さめのものが多いです。
つまり、私が現行MacBookのMagic Keyboardのファンクションキーに感じる違和感というのは、フルサイズ化するのに際して、あまりデザイン面の考慮が見受けられず、乱暴にESCキーを大きくして幅を稼いだように見えるところにあるんだと思いました(※あくまで個人の感想です)。
つまりTouchBarは良い
ここで、我らがTouchBarを見てみましょう。
TouchBarはfnキーを長押するとファンクションキーが表示されます。当然ながら、ファンクションキーはTouchBar内に自在に配置できますから、左右12分割で綺麗に12個のボタンを並べることができます。ESCのサイズも、タッチIDのサイズもコンパクトで美しい。
ファンクションキーのそもそもの用途を考えると、それはアプリケーション毎に最適化された専用キーとしての性質を持ちます。つまり、この用途から考えると、ボタンそのものがカスタマイズできてしまうTouchBarは究極のファンクションキーなんです。
MacBook Pro 2022のM2モデルで唯一残ったTouchBarモデル。もはや風前の灯火状態になっていますが、新しいMacBookシリーズのMagic Keyboardに感じる違和感の正体を掘り下げていったら、自分がなぜ、今、TouchBarに惹かれるのか、その理由が分かってきました。
キーボードとは機能美です。ファンクションキー列は特殊キーとして、その配置には特別な配慮が必要です。そうしないと他のキーと配列のバランスが乱れます。今のMagic Keyboardには、この辺の配慮が欠けている気がします。個人の感想です。
改めて見てみると、パンタグラフキーボードではファンクションキー列のバランスに非常に気を使ってきた経緯が感じられます。そしてTouchBarはある意味究極のファンクションキーなのかもしれない、と。これが私の中での、違和感への答えだった、ということでした。
ここまで書いて思ったのですが、これは完全なTouchBar信者の独りよがりなご意見表明です。でも、あのキーボードに対する違和感は本物。キーボードはもっとも僕らが手に触れるPCデバイスですので、デザインも重要だと思っています。キーボードは機能美、と。
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